医院ブログ
歯の色にはなぜ個人差がある?
2024.08.28
みなさま、こんにちは
川崎市「小島新田」駅から徒歩1分のパール歯科医院です。
当院は、歯を守りたい、健康を実現したいと願う方の歯科医院で、担当歯科医師・歯科衛生士があなたの健康をサポートいたします。
- はじめに
- 歯の色は遺伝する?
- 歯の構造
- 歯の色は何で決まる?
- 人種によって異なる歯の色
- 後天的に歯の色が変わる原因は?
- まとめ
1.はじめに
今回は、歯の色に個人差がある理由についてご紹介します。
口元の清潔感のために歯を白くしたいと思う方が増えていますが、そもそもなぜ歯の色には個人差があるのでしょうか。
2.歯の色は遺伝する?
生まれ持った歯の色は人それぞれ違います。これは遺伝によるものなのか疑問に思ったことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。一般的に、親から子へ遺伝しやすい要素には、身長や顔つきなどの外見的要素と、性格などの内面的要素があります。また、先天性の病気が遺伝するケースもあります。歯科に関係のあるものでいえば、顎の骨の大きさや歯の大きさ、歯の色も親から子へ遺伝する可能性が高いといわれています。歯の色が遺伝の影響を受けやすいのは、歯の構造に起因します。
3.歯の構造
歯は主にエナメル質、象牙質、セメント質、歯髄からできています。

・エナメル質
歯冠部の表面を覆っている組織です。真っ白ではなく、半透明な乳白色をしています。骨よりも硬く、人間の身体の組織の中でも最も硬度が高いといわれています。硬さがある反面、酸に弱く溶けやすいという特徴があります。
・象牙質
エナメル質、セメント質の内側にあるのが象牙質です。象牙質は黄色もしくは褐色をしています。歯を形づくる組織ではありますが、エナメル質に比べると柔らかく、酸にも溶けやすい性質をもちます。象牙質には象牙細管とよばれる細い管が無数にあり、この管を通って刺激が神経に伝わります。特に象牙質は遺伝の影響を受けやすいとされており、親から遺伝した象牙質の色によって歯の色が決まることもあります。
・セメント質
歯根の表面を覆っている組織です。人間の骨と同じくらいの硬さをしています。
・歯髄
象牙質よりもさらに内側にある管で、神経や血管、リンパ管などが通っています。
4.歯の色は何で決まる?
歯の構造は共通していますが、エナメル質の厚みや色、透明度のほか、象牙質の色はそれぞれ異なります。これらの組み合わせによって歯が白く見えるか黄みがかって見えるかは決まるので、歯の色には個人差があるのです。そして、エナメル質はある程度の透明度があるので、内側にある黄色や褐色の象牙質が透けてみえている状態になっています。つまり、歯のエナメル質が厚く透明度が低ければ内側の象牙質が透けて見えにくくなるので、歯は白っぽく見えます。逆に、エナメル質が薄く透明度が高ければ、内側の象牙質が透けて見えやすくなるので歯は黄みがかって見えます。

5.人種によって異なる歯の色
どの人種であっても歯の構造は同じですが、組織の厚みや色味は多少異なる傾向にあります。私たちアジア人のような黄色人種は、エナメル質が比較的薄い傾向にあるため、もとから歯がやや黄みがかった印象になります。一方、欧米人はエナメル質にやや厚みがあるため、歯が白っぽく見えるのです。
6.後天的に歯の色が変わる原因は?
ここまででお話ししたように、歯の色は先天的な要素も大きく関係していますが、それ以上に後天的な要素によっても色が変わります。どのようなことが原因で歯の色は変わるのでしょうか。
・飲食物などによる着色
色の濃い食べ物や飲み物もしくは、ポリフェノールに代表されるような着色をつきやすくする成分を含む飲食物などが原因で、歯にステインが付着すると歯の色が変わってしまいます。また、飲食物だけでなく煙草のヤニが原因となり着色することもあります。
・加齢による黄ばみ
歳を重ねていくと象牙質の厚みが増して、象牙質の色がエナメル質から透けて見えやすくなるといわれています。また、その逆にエナメル質は年齢とともに徐々に薄くなっていくため、より象牙質の色が分かりやすくなるのです。これらのことから、加齢とともに歯が黄ばんで見えるようになるといわれています。
・むし歯もしくは修復物の変色
むし歯は歯の表面のエナメル質や象牙質が酸により溶かされる病気です。むし歯が進行すると、歯が黒っぽくみえるようになります。また、浅いむし歯の治療をする際に、歯を削った部分に歯科用のプラスチック(コンポジットレジン)を詰めることがあります。この素材は治療時にはもとの歯に近い色をしていますが、時間が経つにつれて劣化し、偏食していきます。
・歯の神経がなくなることによる変色
歯の神経は、歯の生命維持に非常に重要な役割を果たしています。しかし、むし歯が進行したり外傷などによって神経にダメージが及んだ場合は、神経をとる処置をしなければなりません。神経を失うことで象牙細管の中のタンパク質が変性し、歯が黄ばんだり黒ずんで見えるようになります。
7.まとめ
今回は、歯の色に個人差がある理由についてご紹介しました。歯の色を根本的に変えるには、ホワイトニングの処置を受けることが非常に効果的です。当院ではご自宅で行うホームホワイトニングを導入しています。
ホワイトニング治療にご興味のある方は、お気軽に当院までお問合せください

医療法人アクアマリン パール歯科医院
院長 藤田陽一